今回のスタメン予想は「扇の要」捕手(キャッチャー)編です。
2021年は梅野隆太郎捕手が開幕スタメンを勝ち取り、シーズン130試合に出場。
優勝を惜しくも逃したもののチームを2位に導きました。
一方でシーズン終盤は坂本誠志郎が頭角を現し、自己最多の45試合に出場しました。
特にリード面での評価が非常に高く、2022年につながるシーズンとなりました。
2022年はどちらが虎の正妻となるのか?あるいは他の選手が台頭してくるのか?
この記事では過去の成績や近況を踏まえ、開幕スタメンを独自予想していきます!
なお他ポジションのスタメン予想は以下記事でまとめています。
- 過去記事:スタメン予想 一塁手編
- 過去記事:スタメン予想 遊撃手編
- 過去記事:スタメン予想 二塁手編
昨シーズンのスタメンは?
まずは2021年のスタメンを振り返ってみましょう。
1番(中)近本光司
2番(二)糸原健斗
3番(一)マルテ
4番(三)大山悠輔
5番(左)サンズ
6番(右)佐藤輝明
7番(捕)梅野隆太郎
8番(遊)木浪聖也
9番(投)藤浪晋太郎
昨2021年は2017年から5年連続で梅野隆太郎捕手が開幕スタメンの座を掴みました。
なお初めて開幕スタメンとなった2017年以降、捕手としての出場試合数は梅野捕手がトップとなっています。
2021年はここぞという場面での一打が光りました。
特に3月・4月は得点圏打率.800, .471と驚異的な数字を残し、チームのスタートダッシュに大きく貢献しました。
しかしながらシーズン中盤から貧打に苦しみ、坂本誠志郎捕手がスタメンマスクを被る機会は増えました。
近年は阪神の正捕手=梅野隆太郎捕手という印象が強かったですが、昨年は梅野・坂本の2強というイメージに変わったシーズンとなりました。
どうしてもシーズン終盤の印象が強いですが、振り返ってみれば梅ちゃんの勝負強さのおかげが勝てた試合は多かったですよね。
坂本選手は投手とのコミュニケーションが活発だなと感じました。
特に外国人選手のサポートはチームにとって良い影響をもたらしたのではないでしょうか。
昨シーズンの捕手成績を紐解く
ではシーズン通して捕手として出場した選手は誰がいたのでしょう?
出場試合数や失策数などを見ていきたいと思います。
以下、 捕手での出場試合数順に並べた昨シーズンの成績表です。
試合(全) | 打率 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 得点圏打率 | OPS | 試合(捕手) | 失策(捕手) | 捕逸 | 守備率(捕手) | |
梅野隆太郎 | 130 | .225 | 91 | 3 | 33 | .321 | .603 | 130 | 6 | 3 | .993 |
坂本誠志郎 | 45 | .185 | 12 | 1 | 6 | .174 | .532 | 45 | 1 | 0 | .995 |
原口文仁 | 56 | .204 | 10 | 0 | 3 | .214 | .613 | 3 | 0 | 0 | 1.000 |
捕手としての出場は梅野捕手の130試合がトップの試合数(スタメンは125試合) でした。
次点は45試合の坂本捕手(スタメンは18試合)。
原口捕手も3試合でマスクを被っておりますが、いずれもスタメンではなく途中から守備参加となっています。
では各成績を考察していきましょう。
何がともあれ2021年正捕手は梅ちゃん
スタメンマスクの割合でいうと、2021年は全試合のうち87%は梅野捕手がスタメン。
正捕手は梅野捕手で間違いありません。
また出場試合数に加えて、打率・打点・得点圏打率などの打撃成績も3選手でトップです。
しかしながらシーズン終盤で疲れが見えたのは確かです。
それは打率の推移にも顕著に表れた結果となりました。
打率 | |
3,4月 | .256 |
5月 | .25 |
6月 | .219 |
7月 | .273 |
8月 | .255 |
9月 | .159 |
10月 | .087 |
9・10月は打率.159、.087まで大きく落ち込む結果となっています。
捕手ごとに見るチーム防御率
では捕手に求められる大きな要素である、リード面はどうでしょうか。
中々数値化が難しいもののため、各捕手リード時の先発投手防御率を比較してみたいと思います。
なお数値情報については nf3 -Baseball Data House – 様のサイトを参考にさせていただきました。
背番 | 名前 | 利き腕 | 梅野隆太郎 | 坂本誠志郎 | ||||||
試合 | 防御率 | 勝利 | 敗戦 | 試合 | 防御率 | 勝利 | 敗戦 | |||
14 | チェン・ウェイン | 左 | 2 | 3.86 | 1 | 0 | ||||
15 | 西純矢 | 右 | 2 | 3.38 | 1 | 1 | ||||
16 | 西勇輝 | 右 | 20 | 3.49 | 6 | 8 | 4 | 5.40 | 0 | 1 |
19 | 藤浪晋太郎 | 右 | 5 | 2.86 | 2 | 1 | 1 | 6.75 | 0 | 1 |
27 | 伊藤将司 | 左 | 20 | 2.67 | 8 | 7 | 2 | 0.71 | 2 | 0 |
29 | 髙橋遥人 | 左 | 4 | 1.20 | 3 | 1 | 3 | 2.37 | 1 | 1 |
34 | 二保旭 | 右 | 3 | 6.08 | 1 | 1 | ||||
41 | 村上頌樹 | 右 | 2 | 16.88 | 0 | 1 | ||||
44 | アルカンタラ | 右 | 7 | 4.05 | 2 | 2 | ||||
46 | 秋山拓巳 | 右 | 20 | 2.72 | 10 | 6 | 3 | 3.00 | 0 | 1 |
49 | ガンケル | 右 | 19 | 3.16 | 9 | 3 | 1 | 0.00 | 0 | 0 |
50 | 青柳晃洋 | 右 | 21 | 2.53 | 11 | 5 | 4 | 2.11 | 2 | 1 |
合計 | 125 | 3.07 | 54 | 36 | 18 | 2.8 | 5 | 5 |
試合数は大きく違うものの、選手ごとの傾向が見えるのは面白いですね。
防御率では梅野捕手が3.07、坂本捕手が2.8という結果で坂本捕手に軍配が挙がりました。
一方貯金数では梅野捕手が+18(54勝36敗)、坂本捕手が±0(5勝5敗)という結果に。
選手ごとに見ると、伊藤将司投手の差が顕著ですね。
坂本捕手は2試合だけではありますが、2勝0敗防御率0.71と素晴らしい成績を収めています。
シーズン終盤調子が良かったということもあるでしょうが、相性は良いと言えそうです。
防御率では坂本捕手、貯金数では梅野捕手といった結果でした。
ただ2人の捕手を並行したからこその効果もあるのではないでしょうか?
前半と後半でリードが大きく変わったことで、相手打者が対応しきれず抑えることが出来たという側面もある気がしますね。
”日本一”に輝いたファーム組は?
ここまで一軍成績を見てきたため、梅野捕手・坂本捕手の振り返りがメインでした。
他の捕手陣の成績はどうでしょうか?
ここからはファーム成績も見ていきたいと思います。
日本一に導いた捕手陣の活躍はどうだったのでしょうか?
背番 | 名前 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 打席 | 打数 | 得点 | 安打 | 四球 | 死球 | 三振 | 長打率 | 出塁率 |
57 | 長坂拳弥 | 66 | .212 | 0 | 11 | 193 | 165 | 13 | 35 | 21 | 3 | 45 | .248 | .311 |
39 | 榮枝裕貴 | 47 | .257 | 1 | 18 | 129 | 109 | 17 | 28 | 14 | 2 | 23 | .385 | .352 |
59 | 藤田健斗 | 32 | .143 | 0 | 0 | 45 | 42 | 3 | 6 | 2 | 1 | 14 | .167 | .200 |
94 | 原口文仁 | 5 | .125 | 0 | 1 | 19 | 16 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | .125 | .211 |
12 | 坂本 | 5 | .400 | 0 | 4 | 17 | 15 | 2 | 6 | 2 | 0 | 4 | .600 | .471 |
95 | 片山 | 45 | .217 | 3 | 5 | 81 | 69 | 13 | 15 | 12 | 0 | 13 | .362 | .333 |
打撃成績しか見つからなかったため、打撃面のみ考察していきます。
30試合以上の出場を果たした選手は長坂捕手、榮枝捕手、藤田捕手、片山捕手の4名でした。
中でもトップは長坂捕手の66試合。
長坂捕手は2020年までは少ないながらも一軍出場がありましたが、2021年は0試合と悔しいシーズンになりました。
(30試合以上出場の捕手のうち)打率、打点、得点、長打率、出塁率など多くの項目で榮枝捕手がトップの成績でした。
大卒1年目のシーズンでこの数字はかなり優秀ではないでしょうか。
強打もさることながら、 榮枝捕手といえば何といっても 〝枝キャノン〟 と呼ばれる強肩が大きな武器。
入団前から話題になるほどの強肩で、ファームでも盗塁阻止を多く決めています。
また片山雄哉捕手は打率は振るわなかったものの、長打率.333で強打に期待が持てる成績でした。
育成契約で入団後、2019年7月に支配下登録を勝ち取った片山選手。
2年間一軍登録はありませんでしたが、2022年シーズンはまずはバッティングで結果を残してほしいところです。
藤田健斗捕手は井上広大選手、及川雅貴選手らと同期入団で、今年成人となった若手捕手。
今年入団したドラフト7位の中川勇斗捕手に次ぎに若い選手となります。
梅野捕手・坂本捕手の”次の次”の世代といったところで、まだまだこれから成長を期待したい藤田捕手。
2021年はシーズンの合間にあった「エキシビションマッチ」で初めて一軍に合流し、2021年オフに引退した岩田稔投手とバッテリーを組む機会もありました。
結果は3安打3打点、盗塁を3度決められるなどほろ苦いデビューとなりました。
この悔しさをばねにしてほしいですね。
2022年捕手スタメンを予想
では、今シーズンの捕手開幕スタメンは誰になるのか予想していきましょう。
各選手の近況を交えながらスタメン候補(大本命、対抗馬、大穴)について解説していきます。
◎大本命:梅野隆太郎(30)
これまでの実績と昨年の成績を踏まえると、梅野隆太郎捕手が大本命で間違いないでしょう。
FA残留となって本当によかったと思います!
また年齢も30歳と脂がのってきたところ。
ちなみに矢野監督が初めて3割越え(規定打席以上)に到達したのも30歳となるシーズンでしたので、梅野捕手にも期待したいですね。
しかし今年も気になるのが終盤の失速。
2021年は前半からチーム状況もよかったため、梅野捕手固定となったがために疲れが後半出てきたのではないかと思います。
個人的には今年はうまく休みを入れながら梅野捕手をスタメンで使ってほしいなと思います。
うまく捕手を併用することが出来れば、昨年以上の打撃成績は十分期待できるのではないでしょうか。
梅野「やっぱりこのチームで優勝したい。その思いが1番でした。」
このコメントはファンにとってはたまらないですね・・。
〇対抗馬:坂本誠志郎(28)
昨年自己最多45試合に出場した坂本捕手を対抗馬として選出させていただきました。
坂本捕手の長所「インサイドワーク」と「フレーミング技術」はチームにとって欠かせないもの。
その能力の高さは、他球団である中日・柳投手からも絶賛されるほど。
他球団でも間違いなくスタメン級の能力を持っていると言えます。
2021年終盤の活躍は当然素晴らかったですが、梅野捕手がシーズン前半から中盤に築いてきたものがあってこその成績でもあります。
またシーズン通してマスクを被った経験がない点は懸念材料になりそうです。
そういった点を踏まえると、やはり正捕手の座は梅野捕手に一歩二歩リードされている状態かなと思います。
2022年は選手間投票によりキャプテンに就任した坂本捕手。
役割が増えることで負担も大きくなるかもしれませんが、自身の力にも変えていってほしいですね。
梅ちゃんのブロッキング、坂本選手のフレーミングは甲乙つけがたい技術。
矢野監督も悩ましいところでしょう。。
△大穴:榮枝裕貴(23)
これまでの経歴でいえば「原口文仁捕手」と言いたいところですが、原口選手は2022年野手に専念することを既に公表しています。
キャンプにキャッチャーミットを持ち込まないという覚悟を決めていますので、気持ちが変わることはないでしょう。
となると、個人的には大きな期待を込めて大卒2年目の榮枝裕貴捕手を大穴候補として挙げさせていただきました。
前述の通り榮枝捕手はファーム日本一の立役者の一人で、バッティング力・配球面・強肩とキャッチャーに求められる多くの要素で高い評価を得ている選手です。
また特に配球に関しては阪神の投手陣やコーチ陣からも評価する声が多く報じられています。
- 平田二軍監督(リーグ優勝時)「(MVPは)キャッチャーの栄枝と長坂だ。このキャッチャー2人は非常に頑張ったと思うよ。」
- 藤浪晋太郎投手(ウエスタン・リーグ試合後)「一辺倒にならなかったのが、スゴく良かった。何より栄枝がうまくリードしてくれて、変化球や真っすぐ、緩い球なり、バランス良く使ってくれた。相手も見ていて迷っている感じでしたし、今後、上でもああいう投球ができたらと思う。」
- 村上頌樹投手(ファーム月間MVP受賞時)「自分の投げたい球を、榮枝もしっかりサインで出してくれたので、息が合っているのかなと思います。どういう風に考えて投げているとか、ベンチに帰った後も『このバッターは〇〇だから、こうした方がいいよ』って話し合いながらプレーした結果が、こういう風に良い結果に繋がっているのかなと思います。」
2022年春季キャンプは二軍スタートとなった榮枝裕貴捕手。
二度の右肋骨を骨折しており、まだ完治に至っていないのかもしれません。
まだまだ梅野捕手・坂本捕手の2強体制は崩すことは難しいと思いますが、次世代の正捕手育成は必要不可欠です。
まずは体のコンディションを万全にし、2022年こそ一軍でマスクを被ってほしいところです!
さいごに
今回は2022年開幕スタメン予想について紹介しました。
守備での負担が大きく、打撃成績は二の次となるポジションである捕手。
リード面では梅野捕手・坂本捕手で甲乙つけることは難しいですが、打撃面や経験を踏まえると梅野捕手の開幕スタメンが現時点では有力と考えられます。
しかしながらシーズン始まってから怪我や打撃不振、疲労蓄積などにより代役が必要となる場面は必ず回ってきます。
対抗馬、大穴候補として挙げさせていただいた坂本捕手や榮枝捕手だけでなく、春季キャンプやオープン戦の結果次第で形勢は当然変わってくるものです。
今後も動向を追っていきたいと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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